アルミのダイキャスト部品の洗浄方法。それぞれのメリットとデメリットをお伝えします!

こんにちは!

今日は部品洗浄機についてのお話をしたいと思います。

特にアルミの切削加工における切削油の洗浄がメインです。

よろしくお願いします。

アルミ部品の洗浄方法

特に自動車関連の部品(アルミダイカスト切削)の洗浄は

弊社のお客様の中ではすごく厳しいチェック項目に入っています。

大手のメーカーの工程監査の際にも品物の洗浄品質を問われるようになりました。

そういう部分をクリアしていくための洗浄方法には色々な方法があります。

例えば

  • 超音波洗浄
  • シャワー洗浄
  • 蒸気洗浄

超音波洗浄機のメリットやデメリット

メリット

音波がつくるキャビテーション(破壊現象)や加速振動により

品物に付着した油を剥離、破壊分散します。比較的均一な

洗浄を可能にします。湯洗も可能です。

デメリット

同じ洗浄水を使い続けることになるので自然と水が汚れてきます。

定期的な水の入れ替えや、自動的に給水排水のハードやソフトの

システム、あるいは汚れにくくなるような工夫を考える必要があります。

またお湯だけで落ちるとも限らないので、そのあとのすすぎの工程が

必要になる可能性があります。

シャワー洗浄のメリットとデメリット

メリット

直接品物に水をかけて汚れをながします。通常は洗剤と混ぜて

使用することが多いです。給水タンクに洗浄水をためて

おき、それをポンプで吸い上げシャワーノズルから水をだします。

水圧もポンプの選定によって圧力を変えることができ、例えば

切粉を除去したければ圧力の強いポンプを選び、ただ水を流す

程度なら普通のポンプで十分です。湯洗にすればさらに良いでしょう。

デメリット

水を循環して使用するので給排水のハード、ソフトの構築と

ポンプからノズルまでの配管の間で汚れを除去するフィルターを

設置し、定期的にフィルター交換が必要になります。

そして、ただの水だけでは油は落ちません。やはり洗浄剤が必要に

なりますので工程が洗剤シャワー→すすぎシャワー→エアブローと

すすぎの工程が必要です。

いずれにしても、水の入れ替えは定期的に行った方がいいでしょうね。

蒸気洗浄のメリットとデメリット

蒸気発生器(ボイラー)の中で水を沸騰させ、水蒸気にしたものを

一気に品物に吹きかけることにより油を落としていきます。

ざっくりとしたイメージは家電用のスチームクリーナーです。

あれはキッチンの油汚れその他、よく落ちますよね。

メリット

他の洗浄機との違いは同じ水を循環させないということです。常に

新しい水蒸気をつくって吐出しますのでクリーン洗浄ができます。

洗浄後には品物が温まっているので、乾燥工程にも入りやすいです。

さらに使用する水の使用量も最小限に抑えられるのが魅力です。

デメリット

ボイラーに水を供給するのに「軟水器」が必要になります。通常の水道水では

ボイラー内に不純物がたまり傷みやすくなります。水道水を軟水に変える

軟水器の管理が大切です。しかし、定期的なメンテナンス依頼によりその不安も

解消できるでしょう。

部品洗浄は組み合わせで考える

上記以外にも色々と洗浄方法はありますが、特に多いのを上げました。

ただ、単独で洗浄するのではなく様々な洗浄方法の組み合わせる

ことで、お客様の求められる洗浄品質を満足させることができると思います。

例えば、上の画像の洗浄機は

超音波洗浄→シャワー洗浄(洗剤)→蒸気洗浄→エアブローという工程を

進む回転式です。この場合、シャワー洗浄の洗剤は次工程の蒸気洗浄ですすぎも含めて行います。

いわばフルセットですね。

かなりキレイになります!

さらに、そのあと専用箱に自動で品物を入れちゃおうという洗浄機なのでとても便利です。

エアブローの重要性

洗浄について述べてきましたが、同時に考えなければならない事があります。

エアブローです。これは非常に重要です

「洗浄はできてるけど水残りのせいでシミができたよ」

この問題が結構あります。

特に止まりタップ穴の底にたまった水滴を吹き飛ばすための工夫や

当然全体的な水残りを防ぐための工夫をこらします。ノズルの形状や

取付位置、その他もろもろ。ここはノウハウ的な部分です。

洗浄機をつくる上で常に「水残り」というキーワードは頭から外せません。

過去と現在の洗浄の違い

あくまで弊社の視点ですが、15年前くらいの洗浄剤は有機溶剤の含まれている

洗剤を使用して洗っていたのではないかと思います。

乾燥も人がエアガンでアルコールを吹き飛ばすような形です。

有機溶剤洗剤の利点は油汚れが落ちやすく、乾燥性に優れているということです。

部品洗浄にこれほど適したものはなかったでしょう。

しかし、これは環境汚染や人体被害の観点から問題がでてきます。

洗浄方法自体の改善も考えなくてはならなくなってきました。

そこで弊社では、有機溶剤の代わりに中性洗剤を使い、そしてクリーンな蒸気を

使っの洗浄を打ち出しています。

メッセージ

アルミの切削加工の量産をする際、特に自動車部品に関しては洗浄レベルの

要求が上がってきています。弊社はこれに10年携わってきました。

自動車部品に限りませんが品物はほとんどが歪な形をしています。

これをどうすればキレイに洗えるのかを、お客様目線も取り入れながら

使いやすさ、機能性、洗浄品質にこだわり、最終的には

お客様に喜んで頂く。

それがわたしたちの仕事です。

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